ひとりごと①

ひとりごと①

2011.11.2

たくさんのお客様、たくさんのご遺族さまと、最後の時をご一緒するとなんだか不思議な一体感を感じます。
最近、小さいお葬儀とか 地味なお葬儀とか 直葬(ちょくそう)という言葉をよく耳にします。
中でもよく聞くのは家族葬でしょうか・・・
多くの場合、家族・親族のみで一般のお客様へ連絡せずに行う葬儀を家族葬・密葬と呼んでいます。
この場合、葬儀(寺院僧侶にお願いして)を行います。
お経を読んでいただいて火葬し寺院で葬儀を行うのが静岡県中部地方では一般的です。
家族葬・密葬を行う理由は
・故人の遺志により
・ご遺族の希望により
・事故などのためやむを得なく
・住居の関係で
・遠方の親族の都合で
などさまざまです。
しかし、家族葬や直葬という言葉がひとり歩きしてしまい、単純に安価な葬儀を家族葬という方がいらっしゃいます。
年に数回ですが、家族葬をするから棺(ひつぎ)だけ売ってくれという方もいます。
お売りすることはできますが、葬儀社ですから・・・ご遺体の処置や手続きなどを含めた価格しか提示できません。
単品の価格ではサービスの提供はできないからです。
ご遺体は保護できているか?手続きに不備はないか?手配は完了したか?などなど・・・人の手が必要なことがやはり葬儀社としては心配になるからです。
そんなとき・・・家族葬ってなんだろ?・・・なんて悩んだりします。
実際、お棺と骨壷のみで諸手続きなど代行させていただくこともあります。
ご自宅でのご遺体保護から、諸手続きを行い、棺をお運びし、車を手配し、ご寺院と打合せ、葬儀のご説明、親族(数名)の接待、出棺・・・とお手伝いさせていただきました。
ご親族さまが後日、本当にこの金額でよいのかと逆に心配してくださいました。
ご家族だけのお葬式でしたが、川の流れのように自然で静かであたたかいお別れでした。
この気持ち・・・この空間を共に過ごす事が、私が葬儀を続けている理由かもしれません。
ホントは、故人・ご遺族・親族のみの自由な発想で行う自由葬を家族葬と言うのではないでしょうか?
皆様が信仰するご宗旨も多種多様です。
自由って難しいですが・・・まあ、自由について少しでもご家族と語りませんか?
故人・ご遺族の思いが良く伝わるこんな家族葬もありました。
身内だけで葬儀を行うお知らせをして、近所のお手伝いをお断りした上で、お客様として隣組(長年お世話になった近隣の方)の皆様をご招待したご遺族さまもいらっしゃいました。
なんだかホンワカした・・・「笑い涙」のお別れでした。
自由にご家族でお葬式について語っていくことも大切だなあと思いました。
どんなカタチでも同じお別れの場です。
私にとって1つのお別れは、大きくも小さくもなく、カタチへのこだわりを無くしても・・・お経をいただいて有難いと思ったり、線香を手向ける瞬間の、手のひらを合わせたときの気持ちがひとつである事を感じるんです。